日本海には一二〇〇種ぐらいの海藻が自生しているといわれています。そのうち食用にされているものは二十種で、中でも多いのが、昆布、ワカメ、アサクサノリの三種です。現在日本海でとれる昆布は全部で四十五種類もあり、リシリ昆布、ナガ昆布、ホソメ昆布、マ昆布、ミツイシ昆布、ネコアシ昆布などが、一般によく用いられています。
中でもマ昆布がその味の良さで最高級品とされており、またマ昆布の中でも切り口が白味がかっている白口の方が、黒口よりも上等品とされています。リシリ昆布はマ昆布の仲間で、その名の通り北海道の利尻、礼文島付近でとれます。コクのあるだしがとれるので、ダシ昆布として重宝されています。ミツイシ昆布は日高昆布のことで、日高三石町からその名がとられ、加工品にもダシ昆布にも引っぱりだこの人気があります。
ナガ昆布も、昆布巻きなどの加工品によく使われます。釧路、根室の海域でとれ、名前の通り葉が昆布の中で最も長いものです。とろろ昆布、納豆昆布、などの大衆向け加工品によく利用されるホソ昆布は、北海道の日本海でとれますが、量はあまり多くなく、質も上等とはいえません。
このように昆布は寒い地方の食物で、北海道が主な産地となっています。昆布は古くから、朝廷への貢ぎ物として、また庶民の間でのお祝い事の贈答品としても、生活には欠かせない食品とされてきました。昆布は日本の食文化そのものであり、私たち日本人の健康を守ってきたのです。
昆布を水にもどすと表面がぬるぬるしてきますが、このぬめりが身体には大変良いのです。このネバネバした物質は、食物繊維の一つである水溶性の硫酸多糖とよばれるものです。この中にはラミナリン、フコイジン、アルギン酸などが含まれていますが、このアルギン酸がコレステロール値、血圧を下げる作用に一役買っています。コレステロールが少なくなれば血管の壁に付着するということもないので、動脈硬化を予防することになります。また昆布の葉緑素、クロロフィルムにもコレステロールを減らす作用があります。
昆布にはカルシウムなどの無機質も非常に多く含まれています。カルシウムにはストレスを静め、精神を安定させる作用があります。この他に、昆布にはビタミンA、B2、カリウムなどのミネラルも多く含まれています。ビタミンAはとり目などにも良いですが、体内の粘膜を強化して、カゼ、ガンなどを防ぐ効果もあります。ビタミンB2は口角炎、口唇炎を予防し、脂質の代謝をさかんにします。カリウムは血圧を下げる効果があります。
また、昆布は非常にアルカリ度の高い食品です。人間の身体は本来は弱アルカリ性ですから、機能を正常に保ち、健康な活動を行うためには、酸性に傾かないようアルカリ食品を摂り、体内を中和させることが大切です。
昆布にはヨードが多量に含まれています。ヨードは甲状腺ホルモンを形成する上で欠かせないものです。したがって、発育時にヨードが足りずチロキシンの分泌が減少すると、骨の発育不全、クレチン病、知能低下などの症状が生じます。しかしながら、ヨードの過剰摂取による弊害も指摘されていますので、取りすぎには注意しましょう。
ヨードが不足すると、成人の場合は、疲労しやすくなったり、甲状腺肥大、眼球突出、バセドウ氏病などの甲状腺機能亢進症といったような症状が起こります。またその他ヨードには、血管の老化を防ぐ作用もあるといわれます。しかしながら、ヨードの過剰摂取による弊害も指摘されていますので、取りすぎには注意しましょう。
昆布にはカルシウムなどの無機質も非常に多く含まれています。カルシウムは骨のもとですから、子供だけでなく、特に中年以降の女性にも必要です。女性の体は閉経期をすぎると、カルシウムを骨にとどめておくホルモンが分泌されなくなるので、骨がスポンジのような状態になります。骨がもろくなり、骨折や腰痛、骨が曲がるなどの原因になりますから、この時期には特に必要なのです。
腸内で吸収されにくいという食物繊維は、腸のぜん動運動を促し働きを活発にするので、血液が浄化され、脳への酸素補給が十分に行われるため、頭がよくなります。昆布のだしの素であるグルタミン酸ソーダも同様に、脳の働きを活発にします。
腸内で吸収されにくいという食物繊維は、腸のぜん動運動を促し働きを活発にするので、便秘にも効果的です。
食べ物から調べる 自然食品別効能辞典は自然食品別に効能を紹介しています。 | edit
© 2006 食べ物から調べる 自然食品別効能辞典 all rights reserved.